Team Foundation Server のXAMLでない方のビルド定義の作成・実行を1から解説する
前回からあっという間に2か月以上たってしまった。細く長くがんばろう。
2015以降のTFSではXAMLビルドは推奨されない*1方式になるので、新しいビルド環境の構築を試してみた。
環境:Team Foundation Server 2015 Update 4、Windows Server 2012、SQL Server 2012
目次
- プールの追加
- 権限の設定
- エージェントのインストール
- エージェントの起動
- ビルド定義の作成
- ビルドの実行
- 感想
- 参考資料
プールの追加
画面上から歯車アイコンを押して、コントロール パネル画面に遷移する。
コレクション管理ページの表示をクリックして、コレクションのプロファイル画面に移動する。
エージェントキュータブをクリックする。新しいプールとキューを作成するために、新しいキューリンクをクリックする。
ダイアログで「新しいプールの作成」ラジオボタンを選択し、プール名に名前(今回は「VSPool」とする)を設定する。(上記画像は既に作成済)
プールの作成に失敗した場合は、権限が不足しているので、Team Foundation 管理者ユーザにプールを作成してもらう。
*1:TFS 2018 Update 2では復活したみたいだが
Windows Server 2016 で WCF Data Services
Windows Server 2008 で動いていた WCF Data ServicesアプリケーションをWindows Server 2016に載せ替えたので、メモを残しておく。
WCF Data Servicesアプリケーションを発行し、アクセスすると404エラーが発生する
WCF Data Servicesの拡張子「.svc」がIISに認識されていないという事が以下のブログでわかった。
Publishing a WCF service on IIS 8gyorgybalassy.wordpress.com
直接設定すれば動きそうだけど、画面から設定できるのではないかと思って調査を続けたところ、Windows Serve 2012での設定内容を書いたブログがあった。WCF Data ServicesはHTTPで通信するので良さそう。
検索キーワード(HTTPアクティブ化)がわかったので、Windows Server 2016の設定を探したところ、以下の複数のサイトが見つかったので書かれていた設定を行うことで、404エラーを無くすことが出来た。
.NET Framework 4.7が入っているケース。
一つ上のサイトからリンクされているページ。設定した結果がもう少し詳しくのっている。
タイトルにWCFの文字はないが、画面の画像付きで丁寧に説明されている。ASP.NET(MVCではない)が動作する環境ではWCF Data Servicesも動作するようだ。
「現在のセキュリティ コンテキストでは、NT AUTHORITY\IUSR はデータベース にアクセスできません。」というエラーメッセージが表示される
WCF Data Servicesのトップ画面は表示されたが、個別のエンティティセットを表示しようとすると上記エラーメッセージが表示されてしまう。IUSR について調べてみると、以下のサイトに情報があった。
関連個所を引用すると
Windows Vista 以降、IUSR ユーザーアカウントをビルトインアカウントとして用意し、これを匿名認証のときに用いるようになりました。
そして
IIS マネージャーを使って、「IIS」の「認証」の「匿名認証」の編集で、匿名ユーザー ID をアプリケーションプール ID に設定すれば既定のIUSR を使用せずに、アプリケーションプール ID のみでアクセス許可の設定ができるようになります。
とあるため、 IIS マネージャーを開いて匿名認証の設定を確認すると、既定のユーザー(IUSR)になっていたので、アプリケーションプール IDに設定することでデータを表示することが出来た。
以上
おまけ
アプリケーションプール IDでデータベースにアクセスする設定は、過去記事参照。
ASP.NET MVC でチェックボックスのカスタマイズをCSSのみで行う。
ググると以下のようなサイトがヒットするが、そのままでは、ASP.NET MVC で動作しない。
なぜかと言うと、Form要素を作成するときは、HTMLタグを直接入力することはあまりせず、ビューヘルパー(@Html.***For)を使用することが多く、チェックボックスのビューヘルパーはinputタグを2つ作成するからだ。
その解決方法を調べたら、以下のサイトに載っていた。
最初のサイトで使用していた隣接セレクタを使用する代わりに、間接セレクタを使用すれば良いということだった。奥が深い。
ちなみに、labelタグで囲む場合と、labelタグのfor属性を使用する場合があるが、labelタグで囲まない(labelタグのfor属性を使用する)場合は、HTML上はinputタグ、labelタグの順番で書く必要がある。
これは隣接セレクタ、間接セレクタ共に、○○の前という指定が出来ないからである。CSS4では出来るようになるらしい。
これだとデザイン上困ったことになりそうだが、inputタグによるフォーム(チェックボックス)は非表示にされるので特に困らない。
やはりASP.NET MVCの情報を探すには、stackoverflow(英語版)は必須だな。
以上
(小ネタ)IISのApplicationPoolIdentityでデータベースへのアクセス許可を設定する
以前にメモしていたのに、忘れていて余分な時間を費やしてしまったので、忘れないようにブログに残しておく。
以下のサイトを参考にWebアプリケーションを作成し、リモートのIIS上にデプロイする。
Webサイトを追加した場合に設定を変更しなければ、アプリケーションプールのユーザーにはApplicationPoolIdentityが使用される。
WebアプリケーションからDBに接続するには、ApplicationPoolIdentityのユーザーでデータベースへのアクセス許可を設定する必要がある。
以下の2サイトを押さえておけば大体OK。
ASP.NET で MSSQL に Windows 認証で接続 - クリエイティブWeb
How to add the ApplicationPoolIdentity to a SQL Server Login – Eric Parvin(英語だけど、調べたことが全て書いてある)
以上。(ほとんどリンクだけど、リンク先が十分わかりやすいので、備忘録ということで一つ)
(小ネタ)SQL Server Management Studio (SSMS) のSQLフォーマットには、ApexSQL Refactor が良さげ
SQL Server Management StudioのSQLの書式をフォーマットするのに、SQL Server 2012の時は、「Poor Man's T-Sql Formatter SSMS & Visual Studio AddIn」を使っていました。
SQL Server 2014にも対応していたのですが、SQL Server 2016にはその時点では対応しておらず*1、代わりのソフトを探していて「ApexSQL Refactor」を使い始めました。
ApexSQL Refactor もインストールした時点では、あまり使いやすくなかったのですが、最近のアップデートでフォーマットの設定画面がわかりやすくなっており、細かい設定も可能になってだいぶ使いやすくなりました。
なので、SQL Server Management Studio (SSMS) のSQLフォーマットには、ApexSQL Refactor が良さそうです。
ちなみに、どちらもフリーです。
以上です。
*1:今回調べたら Poor Man's T-Sql Formatter SSMS & Visual Studio AddIn もいつの間にか最新のSQL Serverに対応していました。
NLogを使用して、開発環境と本番環境でログの出力先を切り替える設定について
問題
Webアプリケーション開発でNLogを使ってログ出力をしていて、本番環境に乗せることになった時に、開発環境と同じパスにログを出力できない事ってありますよね。
例えば、開発時はソリューション内のフォルダに出力していたけど、本番ではWebから参照できない場所に出力したりとか、他のソフトやシステムの連携のためにログの出力先が決められていたりとかです。開発環境、テスト環境、本番環境でログ出力先が異なるというケースもありそうです。
そういった場合にどうすれば良いのか?調べました。
調査
とりあえず、以下の公式ドキュメントを見てみたり、検索エンジンで調べてみましたが、NLog.configにはそういった設定はなさそうでした。(調べたのは少し前なので最新の情報では変わっているかもしれません)
対処方法
NLog.config→Web.configへの設定の移動
では、どうするか。今回使用した方法は、NLog.configを使わないという方法です。実は、NLog.configの設定は、Web.configに書くことが出来ます。
まず、先頭で、nlogセクションを使用する事を宣言します。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?> <!-- For more information on how to configure your ASP.NET application, please visit https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=301880 --> <configuration> <configSections> <!-- For more information on Entity Framework configuration, visit http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkID=237468 --> <section name="entityFramework" type="System.Data.Entity.Internal.ConfigFile.EntityFrameworkSection, EntityFramework, Version=6.0.0.0, Culture=neutral, PublicKeyToken=b77a5c561934e089" requirePermission="false" /> <!-- ↓この行を追加 --> <section name="nlog" type="NLog.Config.ConfigSectionHandler, NLog" /> </configSections>
次に、ファイルの最後にnlogセクションを追加します。(追加する場所はどこでも良いと思いますが、わかりやすいので最後にしました)
<providers> <provider invariantName="System.Data.SqlClient" type="System.Data.Entity.SqlServer.SqlProviderServices, EntityFramework.SqlServer" /> </providers> </entityFramework> <!-- 以下の一連の行を追加 --> <nlog xmlns="http://www.nlog-project.org/schemas/NLog.xsd" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"> <targets> <target xsi:type="File" name="f" fileName="${basedir}/logs/current.log" layout="${longdate} ${uppercase:${level}} ${message}" archiveEvery="Day" archiveFileName="${basedir}/logs/archive_{#}.log" archiveNumbering="Date" archiveDateFormat="yyyyMMdd" maxArchiveFiles="3"/> </targets> <rules> <logger name="*" minlevel="Trace" writeTo="f" /> </rules> </nlog> </configuration>
ちなみに上記の設定は、以下の過去記事からコピーした内容です。
そして、設定が重複してしまうのでNLog.configを削除します。
この状態でアプリケーションを起動して、ログが出力されていることを確認します。
Web.config変換を使用した切り替え
いよいよ、開発環境と本番環境で切り替える設定ですが、Web.configに設定が書けるという事は、Web.config変換を使用することが出来るということです。
以下のサイトを参考にして、発行先ごとのWeb.config作成することで、発行時にNLogによるログの出力先を切り替えることが出来ます。
最後に、発行先ごとのWeb.config(Web.発行先プロファイル名.config)の内容をのせておきます。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?> <configuration xmlns:xdt="http://schemas.microsoft.com/XML-Document-Transform"> <nlog xmlns="http://www.nlog-project.org/schemas/NLog.xsd" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" autoReload="true"> <targets> <target name="f" fileName="D:/WepApplicationLogs/current.log" archiveFileName="D:/WepApplicationLogs/archive_{#}.log" xdt:Transform="SetAttributes" xdt:Locator="Match(name)"/> </targets> </nlog> </configuration>
ログ出力パスとアーカイブ用のパスを変更しています。それ以外の設定は元のWeb.configの内容をそのまま引き継ぎます。(Web.config変換の機能)
発行先が複数ある場合でも、各ファイルの設定を変えることで対応できるのでなかなか便利です。
以上です。
(小ネタ)ASP.NET MVC でテキストボックスに小数を入力する時に日本語入力をオフにする方法
今回も以下に関連した話題。
二つ前の記事でも書きましたが、上記ではinputタグのtype属性が「text」になってしまうため、フォーカスが当たった時に日本語入力モードになってしまいます。
これだと数字を入力した後にいちいち確定しなければならないため、小数を入力するフォームが続いたりするとかなり面倒くさいです。これを解決する方法を調べました。
全てのケースで対応できる解決策ではないのですが、スタイルシートで制御できます。
以下のように、style属性にime-mode: disabled
を設定します。
@* EditorForの場合 *@ @Html.EditorFor(model => model.Published, new { htmlAttributes = new { style = "ime-mode: disabled" } }) @* TextBox,TextBoxForの場合 *@ @Html.TextBox("Published", null, new { style = "ime-mode: disabled" })
テキストボックスにフォーカスが移ると、IMEが無効になるためtype=text
のテキストボックスでも直接入力モードになります。
注意点1
IMEが無効にされた状態で、他の日本語入力が必要なテキストボックスがある場合、そのテキストボックスにフォーカスが移っても、そのままでは日本語入力が出来るようにはなりません。
日本語入力を可能にするためには、そのテキストボックスのstyle属性にime-mode: active
を設定する必要があります。(設定の仕方は上と同じです)
注意点2
全てのケースで対応できる解決策ではない理由は、これはリンク先で書かれているように、Chrome、Opera、Safariではサポートおらず、廃止予定のプロパティだからです。
今回の目的は小数の入力作業の効率化であり、Chrome等を使用することは想定していないため、この方法を取りました。
以上です。